パウダースノーとビールに酔いしれた一日
出典:tenki.jp
何日も前から、毎日天氣図とにらめっこしていた。
週末は強烈な寒波により大雪を降らせる予報となっていたからだ。
今シーズン、まだパウダーを当てていなかった僕は、今回こそはと鼻息荒く毎日予報が更新される度に天氣図を眺めながら一喜一憂していた。
候補に上がっていたのは、白馬エリア、新潟エリア、群馬エリアそして前売り券を購入していた福島裏磐梯エリアだ。
9日(木)のニュース番組では、金曜日から週末にかけて上空5000mに−30℃以下の寒氣が流れ込み、九州のごく一部を除いて日本列島をほぼすっぽりと覆うため日本海側を中心に大雪となるところが多く、不要不急の外出は控えるように告げていた。
天氣予報をみると、新潟エリアは大雪の予報。白馬、群馬は大雪とまではいかないがコンスタントに降り続ける予報だった。
裏磐梯エリアも週前半の予報では、雪がチラつく程度だったのだが、ここにきてコンスタントに降り続ける予報に変わっていた。
前売り券があったこともあり、またこの予報なら大丈夫だろうと今回の行き先は裏磐梯に決定。
金曜の20時過ぎに出発し、圏央道、東北道、磐越道と乗り継ぎ、猫魔スキー場の駐車場に着いたのは午前1時頃。距離にして約350km、時間にして5時間弱。さすがに遠い。
猪苗代IC〜桧原湖までの道はドライで降雪もなく、「ヤバイ、外したかも」と焦ったがスキー場の手前2kmあたりから突然降り出してきた。
風が強く吹いているが、いい感じで降っている。
明日はパウダーが滑れますように。そう祈りながら駐車場で車中泊することにした。
翌朝、除雪車のヴォーン、ガガガガガーッという音で目覚めた僕は、祈るような氣持ちでマルチシェードを外して外の様子を伺う。
外では駐車場の誘導係が次々とやってくる車を誘導していた。
その誘導係の防寒具のフードには、うっすらと雪が積もっている。ただ風は依然として強く、時折突風とともに駐車場の雪を舞い上げ雪煙となって飛んでいくのが見える。
早速ダウンを羽織り、車のドアを開けると強い風とともに雪が吹き込んできた。
地面に足を下ろしてみると、ズボッとスネ下あたりまで沈む。
どうやら、この一晩で約15〜20cm程度の雪が降り積もったようだ。
僕は思わず心の中でガッツポーズをした。
あとは風だ。
スマホで天気予報をチェックしてみると概ね4〜6mの予報で、これならリフトは動くだろうとホッと胸を撫で下ろす。
今回も一緒の近所に住むMさん一家と駐車場で合流し、早速準備にとりかかる。
家族連れの性か、はたまた段取りが悪いのか、リフト開始時間には間に合わず、リフト乗り場に着いた頃には運行開始からすでに30分近く経っていた。
とりあえずリフトを乗り継ぎ、最上部を目指す。
リフト脇のコースを滑る人々は皆一様に笑顔だ。中には雄叫びを上げながら下りてくる人もいた。
リフトを降り、まずは最大33°のラフューテ・アウトへテイクオフ。
雪は予想よりも深く、「ヒザ〜モモ セット腰」の想定外の深さに最初はバランスを崩したりもしたが、徐々にその深さに慣れてくるとスプレーを上げながら一気に滑り降りた。
これはヤバイ、ちょ〜気持ちイイ〜。
お次はラ・フューテ・インへ。
先ほどのラ・フューテ・アウトは斜度があるが、距離が短く、後半は緩斜面が続くため、この深雪ではまっすぐ滑ることしかできない。
ラ・フューテ・インは斜度は27°と控えめだが、ラ・フューテ・アウトより中斜面の距離が長い。
斜度がきつくない分、余裕を持って滑ることができ、その浮遊感に酔いしれた。もちろん無駄にスプレーを飛ばすのも忘れない。
2〜3本滑った後、このパウダーを女性陣にも滑らせてあげたいということで午前の部は終了。Mさんとハイタッチし、ビールで乾杯した。
午後の部では、ダルジャン・インとダルジャン・センターを回したのだが、実はあまり覚えていない。
午前中のパウダーに満足した僕は、午前中に2本、昼食時にまた1本と計3本のビールを飲んでしまい、あまり集中して滑ることができなかったのだ。
そんなわけで、最後は女性陣に譲り、ホロ酔い氣分のまま、子供と車で昼寝して終了。
その晩は、またまたM家のトレーラーにお邪魔しての宴会。
パウダーを滑った面々は皆、意氣揚々と今日の滑りについて話している。
トレーラーの外ではまだこの降りよう。
朝からずっとこんな感じだ。
今日は酔い一日だった。
明日も間違いなくパウダーだ。
テンションが上がっても飲み過ぎないと心に誓いながら寝袋へ。
2日目に続く