波と戯れ 雪で遊ぶ

波乗りとスノーボードときどきキャンプ。 思ったこと 感じたことを そのままに。

はじめての氷上ワカサギ釣り


3月も終盤に差し掛かった3連休。

その初日は以前から企画していた氷上ワカサギ釣りに行ってきた。

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事の発端は、1月9日夜に流されたテレビのニュースだった。


群馬県前橋市の赤城大沼で9日午前6時半、赤城山の冬の風物詩、氷上ワカサギ釣りが解禁され、大勢の釣り人が釣り糸を垂らしてワカサギ釣りを楽しみました。 」とニュースキャスターが原稿を読み上げた後、赤城大沼に張った氷の上でファミリー連れが直径20cm程の穴に釣り糸を垂らしている映像が流れた。


こんな環境での釣りに息子を連れて行ったら良い思い出になるだろうなぁ。なんて考えていた。


数日後、いつも雪山でご一緒しているMファミリー宅にお邪魔した時、そのことを話すと偶然Mさんも同じニュースを見て、同じことを考えていたとのことで、それなら今シーズン企画しちゃいますか?ということで3月の連休に氷上ワカサギ釣りと雪山をセットにしてやりましょう!とその日のうちに決定したのだった。


3連休前夜、金曜日の夜のうちに移動し、赤城山の麓の「道の駅ふじみ」で車中泊

翌朝6時に赤城大沼に向けて出発した。


6:30に予め釣り道具一式を予約していた青木旅館別館に到着し、一通りレクチャーを受ける。


旅館の人が言うには、赤城大沼の氷上ワカサギ釣りは日本一難しいらしく、尚且つここ数日アタリが激渋だそうで、100匹位釣り上げて、今日の夕飯はワカサギの天ぷらを肴に日本酒で一杯というつもりだった一行に早速暗雲が立ち込めた。


余談だが、ここ赤城山の麓の大間々町にある近藤酒造の「赤城山」という日本酒があるのだが、これが安くてうまい。

辛口で切れがあり、少しクセがあるのだが飲みやすい。

近藤酒造のHPにもあるとおり、まさに「男の酒」といったイメージで、決して上品ではないが、この武骨な味わいがとても良い。


ちなみに、山の赤城山は「あかぎやま」といい、日本酒の赤城山は「あかぎさん」と読むのが一般的のようだ。



レクチャーを受けた後は、とにもかくにもやってみようということで早速氷上へ。


足を踏み入れると、ここが本当に湖(沼?)の上?というくらいしっかりしている。

それもそのはず、氷の厚さは50〜60cmもあるそうだ。

昨夜降った雪が、氷上に積もっていることもあって、まるで地面の上を歩いているかのようだ。


約5分ほど歩いて教えてもらったポイントへ着くと、まずは突き棒と呼ばれる道具で氷に穴を開ける。

これが意外に簡単で拍子抜けするほどだ。


穴が開いたら、その位置に合わせてテントを張る。

通称カタツムリと呼ばれるこのテントは設営が非常に簡単で、板張りの上に蛇腹式に折り畳まれた透明のビニールを拡げて穴を覆うだけで5秒ほどで設営できる。

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テントは一人用と二人用があり、今回レンタルしたのは二人用だが、大人2名、小さな子供1名であれば、何とか入れる大きさだった。


超小型の釣竿に仕掛けと餌をつけたら、穴に糸を垂らすだけ。

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上下に3回ほど降って少し待ち、アタリがなければそれを延々と繰り返す。

アタリがあれば、すぐに合わせて竿を持ち上げるのだそうだが、一向にアタリはこない。


テントの外は晴れてはいるが、赤城おろしと呼ばれる北西風が強烈に吹きつけていて、3月下旬とは思えない寒さだ。

しかしテントの中は、透明なビニールを通して日光が降り注ぐため、上着がいらないくらいの暖かさで、アタリが来ないこともあって、早速ビールに手が伸びる。


そんな中、Mファミリーのテントで「引いてる引いてる!」との少し興奮した声がしたかと思うと、見事釣り上げたようで歓声が上がった。

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よし今夜は絶対ワカサギの天ぷらを食べるぞ!と氣を引き締め直し、竿を振る手に力が入る。


が、その後アタリがくることはなかった…


昼過ぎまで頑張ってみたが、釣果は三家族でわずか一匹という散々だったが、旅館に戻ると今日はそれでもいいほうでボウズの人も続出したそうだ。


まあ釣れただけでも良しとして、せっかくなので旅館内にある食堂で釣り上げたワカサギを揚げてもらうことに。

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もちろん、ワカサギのフライもオーダーして釣った氣分になって皆でワカサギを食べた。

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我が家の釣果はボウズだったが、うちのボウズにはなかなか良い体験をさせることができたなと、一人納得(自己満足)した連休初日だった。



新たなステージへと導いてくれる僕の師匠


2013年に大本命だったTT160を諦めて購入したMagic38。

これまで丸3シーズン乗り込んだわけだが、毎度その圧倒的な安定感とキレのあるターンに酔いしれてしまう。


パウダーでもダブルピンテールが沈みこみ、ポイントノーズが雪を切り裂きながら雪面に顔を覗かせると、スピード感と浮遊感を同時に体感することになる。

まさに至福の時だ。


乗れば乗るほど、このラグジュアリーな乗り心地のMagicに惚れ込んでいく。


しかし、そこまでMagicに満足しながらも、一度諦めたTTに対する想いは消えることはなかった。

消えるどころかsnow surferとしてGENTEMのフラッグシップモデルであるTTを乗りこなしてみたいという思いが増すばかりだった。


2016年2月に16-17モデルが発表され、TTのグラフィックが自分の好みだったことで急激に購入意欲が湧いてしまった。


ご存知の通り、GENTEMはシーズン毎に各モデルのグラフィックは1種類のみ。

このタイミングを逃すと次またいつ自分好みのグラフィックに出逢えるのか分からない。


そう思うと購買意欲は増すばかりで、いつしかオーダーすることを前提に最終チェックを含め改めて試乗することばかりを考えていた。


そんなことを考えていた昨年2月は、ちょうどニセコへの家族旅行を予定していたので、まずはPOWDER CAMPANYのボードレンタル、そして2月後半に開催された16-17GENTEMSTICK COLLECTION CAMP in HAPPOBANKSでTT160を試乗した。


試乗した感想は、やっぱり難しいの一言に尽きた。

ちょっとしたギャップで板の挙動は乱れ、少し荷重のタイミングを外しただけでバランスを崩す。


それでも一度火のついた僕の購買意欲は消えることはなく、2度の試乗を終えた後すぐにオーダーを入れた。


こうして恋焦がれたTT160を手に入れ、迎えた今シーズン。

初乗りこそ乗り慣れたMagic38に譲ったが、それ以降はMagicを封印し、12日間さまざまなコンディションで乗り込んできた。


シーズン序盤は、これまでの自分のライディングを否定されるが如く、コテンパンにやられた。

Magicであれば必要に応じて自分の技量不足を補ってくれて、それなりにノレていたわけだが、『TT師匠』はそんなに甘くはなかった。


それでも厳しい『TT師匠』に食らいつき、一本また一本と滑るうちに少しづつだがノレるようになっていった。


そしてTTに乗り込んでいくうちに、今まで抱いていた「不安定」とか「ジャジャ馬」という印象が少し違うということがわかってきた。


もちろんフラットキャンバーであるが故に雪面の凹凸などは板が吸収してくれるはずはなく、膝を柔軟に使う必要があるわけだが、そのようにコンディションに見合った乗り方をすれば、決して不安定ということはない。


TTが不安定なのではなく、雪面やコンディションの変化に対し、自分が敏感に対応できていないだけだ。TTは良くも悪くもライダーの乗った通りに動くのだ。


そういう意味では非常にシビアな板であることに変わりはない。ライディング時の集中力は不可欠であり、それが切れた時にはまったくコントロールが効かなくなる。


真剣に向き合うほどに、それに応えてくれる板なのだ。真剣に向き合えば、板から発せられるメッセージを感じ取ることができ、ノレていない時は“違和感”という形でそのことを教えてくれる。


例えば、ターンの後半に後脚へ荷重をシフトしていくと、荷重をかけるほどにターンが切れていくのだが、一定のラインを超えるとテールがズリッと滑るのだ。それも数センチ程度のズレで、恐らく見ている人は気付かないレベルだ。そのズレのタイミングを何度か経験しながらターン時の荷重の仕方を感覚的に覚えていく。

まるで玉井太郎氏がTTを通じてライディングの基礎から真髄に至るまで教えてくれているかのようだ。


エッジに頼り過ぎてターンをするといきなり不安定になり、かといって面で捉えすぎるとルースになる。

玉井太郎氏は雑誌などで「エッジに乗るのではなく、面で雪面を踏むことを意識する」と言っているが、この意味が少しだけだが分かったような氣がする。


いまはターンが楽しくてしょうがない。

というより、ターンを学ぶのに精一杯だ。


以前は、TTはウォールでテールがスムースに流れて調子が良いなんて思ったが、今思えばとんでもない間違いだった。

とてもじゃないが、ウォールでの滑りを語れるレベルにまったく到達していないと感じる。


しかし、『TT師匠』の厳しくも暖かい指導のお陰で今までにないほど深いターンができるようになってきた。

ターンにおいては確実に上達していると感じる。


TT160が僕の滑りを新たなステージに導いてくれているのは間違いない。


どこまでもついていきます。

TT師匠。


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想いを胸に また明日へ

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6年前の今日、僕は福島の郡山にいた。

打合せのための出張だった。

予定通り14時から打ち合わせが始まり、冗談も飛び交い和やかな雰囲気で打ち合わせは進んでいった。

 

そして、それは突然やってきた。

 

最初は静かに揺れ始め、誰かが「地震だ」と呟き、皆が話を中断し、様子を伺う。

私は「大きいな。。」と感じながらも、これまでに何度も経験している揺れのレベルだったため、特に不安に思うこともなく、揺れが収まるのを待った。

 

しかし、揺れは収まるどころか徐々に強まっていき、やがてその大きさは恐らく自分がこれまでに数度しか体感したことのないレベルとなった。

直感的に「ヤバイ⁉」と思ったその瞬間、下から建物ごと巨人にでも蹴り上げられたような強烈な突き上げを感じた。

それを機に自分の想像をはるかに超える揺れが襲う。

 

最初はこれまで経験したことのないあまりにも激しい揺れにリアリティはなく、恐怖心もなかった。

しかし、さらに揺れが激しさを増していくと、さすがに身の危険を感じた僕は机の下に身を隠した。

 

これまで、かくれんぼや防災訓練などで机の下に入ったことはあったが、必要性に迫られ自らそこに身を隠したのは生まれて初めてだった。

 

部屋にある棚は全て倒れ、その棚から落ちたモバイルPCやファイルケースが床を飛び跳ねているのが見えた。

まるで先ほどの巨人が、今度は僕らのいる建物を手にして上下に振っているかのようだ。

 

部屋の外に出ようにも、とてもじゃないが立って歩けるようなレベルではなく、ただ机の下でじっと揺れが収まってくれるのを待つしかなかった。

 

何度目かの大きな揺れがやってきた時、突然何か大きな物体が自分のすぐ脇に落ちてきた。見ると、それは天井に埋め込まれていた業務用の大型空調機だった。

机の下に身を隠していなければ、あの空調の下敷きになっていたかと思うと、急に恐怖感が湧いてきて、一向に収まる気配のない揺れに建物の倒壊が脳裏をかすめ、生まれて初めて死を意識した。

 

それから、どれくらいの時間が経っただろうか。

 

やがて揺れが収まり、再び静寂が訪れた時には、あたりは数分前とはまったく違う光景になっていた。

 

棚という棚はすべて倒れ、物が散乱し、天井は落ち、そこにいた人は皆埃にまみれ真っ白になっていた。

 

余震に備え、建物の外へ避難しようとするが部屋の扉が曲がってしまっていて開かない。

ちょうど扉の向こう側にいた人が、蹴破って開けてくれたお陰で何とか建物の外へ出ることができた。

 

当然、打ち合わせは中止となり、取り敢えず駅に向かうことにした。

 

東京へ向かう新幹線を含む鉄道、そして高速バスも運転再開の目処はたっていないとのことだった。

 

どうしていいか分からず駅前の広場に座り込む人。

家族に安否を確認しようと公衆電話の長蛇の列に並ぶ人。

足早に何処かに向かう人。

 

駅前には多くの人でごった返していたが、そのどの顔にも不安と焦燥感に満ちていた。

 

あたりはいつの間にか雪が降り始めていた。

僕は取り敢えず近くの立体駐車場の待合室で暖をとりながら、今後の行動を検討することにした。

 

自販機で買った缶コーヒーを飲みながら、これからどうするか思案を重ねていると、待合室に置いてあるテレビからアナウンサーの絶叫に近い声が聞こえてきた。

 

反射的にテレビに目をやった瞬間、僕は言葉を失った。

 

テレビには海岸線やら空港が次々と映し出されている。そしてそのいずれの場所にも、これまで見たこともない巨大な津波が押し寄せていた。

 

黒く濁った海水が止まることなく、ありとあらゆるものを根こそぎ流してゆく。

 

僕はその映像を見ながら、自分の中に築いていた何かが音をたてながら崩れていくのを感じた。

 

 

 

2011年3月11日。

 

あの日を境に日本は何かが変わってしまったような氣がする。

あの強烈な大地の怒りは、これまで世界を覆っていたメッキも剥がしてしまったかのようだ。

 

あの日以来、人々の意識や物事を見る目は確かに変わった。

その一方で何事もなかったように、これまでと変わらないように振る舞う輩もいる。

しかしメッキが剥がれた今、その愚行は誰の目にも明らかだ。

 

いま地球はその長い長い歴史においても、非常に重要な変革期に入っているのではないかと思う。

 

近い将来、あの日があったからこそ日本は変われたんだと思える時がくるかも知れない。

否。生き残った僕らは変えていかなければならないのだ。

 

時間が経つ毎に、日常に追われ、あの時の記憶が薄れてしまいがちだが、まだ何も終わってはいない。

今日はこの大事な想いを思い出させてくれる大切な日だ。

 

この想いを再び胸に刻み、また明日へ。

 

黙祷…

17-18 GENTEMSTICK NEW MODEL DEMO TOUR@SUGINOHARA

2月最後の週末。

事前にチェックしていた天氣図もパウダーを期待できるような感じではなかった。

 

そこで、週末は次のパウダーDAYに備えて3週連続で雪山に行ったツケで溜まりに溜まった疲れをしっかり癒そうと決めた。

 

はずだった…

 

 

土曜日の朝、散歩がてらに波をチェックしてみると、木曜日に吹いた春三番が届けたウネリが腰腹程度の波としてまだ残っていた。

 

もともと海に入るつもりはなかったのだが、ソコソコ遊べそうな波を見ていると何だかウズウズしてきて、天氣も良かったので軽く入ることにした。

 

決して良い波とは言えなかったが、晴れた日のサーフはやっぱり氣持ちが良いものだ。

波もなくなってきたので、1時間半ほどで海から上がり、ビールを開けたところで携帯が鳴った。

 

明日の日曜日に妙高杉の原で開催されるGentemの試乗会に一緒に行かないかとのお誘いだった。

 

今回は断ろうと思ったが、氣付いた時には4週連続の雪山へ行くことが決定していた。

今回のメンバーは全員サーファーだが、一緒に滑ったことのない人ばかりで楽しそうだ。

 

日曜日。

夜中2時半に出発し、行きの車中では『SNOWSURF-A GENTEM FAMILY STORY- [DVD]』を見ながらテンションを上げていく。昨シーズンから、このDVDを観ながらスキー場に向かうのが定番になっている。

ハイシーズンのニセコを中心にGentemライダー達のライティングが収録された映像も然る事ながら、何と言ってもサントラが最高だ。

 

7時頃  杉の原に到着。

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ここ3週間ほど、ずっと混んでいたようだが前日の天気予報では雨になっていたせいか駐車場は空いていた。

 

しかもこの青空。

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試乗会は9:30スタートということで少し時間があったので、まずはゴンドラに乗って軽く流すことにした。

ゴンドラを降りて、元のゴンドラ乗り場まで滑ると約3km超とそこそこ距離がある。

 

朝一のよく締まったバーンはスピードも出るが、所々ガリっていて、氷の塊も転がっている。

そんなコンディションのバーンをノンストップで3kmも滑ると一本で脚パンだ。

 

2本ほど回したところで、試乗会がオープンしていたので早速行ってみることにした。

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まず最初に選んだのはTHE CHASER HIGH PERFOMANCE。

注)以下画像はすべてGENTEM STICKホームページから借用

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この板は、GENTEM STICKの全ラインナップでは最大クラスの幅をもつTHE CHASERを一般的な足のサイズの人にも扱いやすくするためのチューニングされているそうで、試乗会でも人氣が高いらしい。

 

 

板を履いた時は、少し幅広でレールの切り返しが大変かなと思ったが、テールを絞った形状のせいか意外と違和感なく乗れた。

ターンした時の感触はエッジを食わせるというより、板を踏むことにより面で雪面を捕らえて曲がっていく感じだ。

ウォールへの当て込みもテールの抜けが非常にスムーズだ。

今回はパウダーではなかったが、パウダーコンディションではかなり調子が良さそうだ。

全体的にとても扱いやすい印象だった。

 

次に試乗したのは人気のDRIFTER。

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今回の試乗会では、評判の高いこの板を乗るのを楽しみにしていたのだが、今一つしっくりこなかったというのが本音だ。

ただ他の人は絶賛してたりするので、僕の乗り方に合っていなかっただけなのかも知れない。

僕はターンの時は前足も結構踏むのだが、その前足を踏んだ時に不安定になるような感じだったので、後ろ足メインでコントロールする人には調子が良いかも。

1本しか乗れなかったので、乗り方を掴む前に消化不良で終わった感じだ。

 

そして最後はSPOONFISH152。

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昔からあるこのSPOONFISHだが、意外なことに乗ったのはこれが初めてだ。

この板に乗った人は誰もが調子が良いというので、いつか乗ろうと思っていたのだが、いつも他の板を優先してしまい、なかなか乗れずにいた。

今回も、本当は今期のニューラインナップALEX YODERモデルXYを試乗してみたかったのだが、大人気でまったく空きがなかったために、ついにSPOONFISH初試乗となったわけだ。

 

このSPOONFISH152を試乗した時のゲレンデコンディションは、気温の上昇とともにコース下部ではかなり緩んだ重いシャバ雪に変化していて決して良くはなかったのだが、152cmという短いレングスのため非常に取り回しが良く、板が自由自在に動く感じでかなり遊べた。

 

ウォールへの当て込みもスムースで、この一本でゲレンデのあらゆるコンディションに対応できそうな印象だった。

 

今回の試乗会はこの3本で終了し、残りは一緒に行ったメンバーとのセッションを今期購入したTT160で楽しんだ。

 

毎回、先頭を変えて皆で連なって滑ったりしたが、人のラインを追うと自分の発想になかったラインや地形の捉え方などを体験できて、とても新鮮だった。

 

昼飯以外は、ほとんど休憩らしい休憩をとらずにぶっ通しで滑り続け、足が悲鳴をあげた午後2時過ぎに終了。

 

結果的に、先週に続いて男限定の滑り倒しツアーとなったのだが、やっぱり上手い人達と滑るのは色々と参考にもなるし、新たなモチベーションにもつながる。

 

それに何と言っても楽しい。

この一言に尽きる。

この貴重な時間を共有してくれた人達に心から感謝!!

 

そんなことを帰りの車中で考えながら、アクセルを踏む足は、ずっとプルプル震えていた。

 

男限定の滑り倒しツアー in Hakuba

先週末は、白馬エリアへ行ってきた。

昨年末から企画していた「男限定の滑り倒しツアー in Hakuba」だ。

 

土曜日はAM3:30に出発し、一路白馬へ。

着いた先は岩岳スノーフィールド。

 

岩岳スノーフィールドは麓側のヴィレッジサイドと山頂側のマウンテンサイドの大きく2つのエリアに分かれている。

ヴィレッジサイドとマウンテンサイドは6人乗りのゴンドラでつながっていて、マウンテンサイドへ行くには、このゴンドラに乗って行くことになる。

逆にマウンテンサイドからヴィレッジサイドへは下山コースを経由して一氣に滑り降りてくることが可能だ。

 

ここは、地形が楽しめると聞いてからずっと来たいと思っていたスキー場なのだが、なかなか来ることができなかった。

というのも上述のとおり、滑走エリアが2つに分かれており、一度滑りに行くと帰ってくるまでの時間がどうしても長くなってしまう。

小さい子供がいる我が家はこまめに交代して滑ることが多いため、どのコースを滑ってもすぐにセンターに戻れる放射状にコースが広がるようなレイアウトのスキー場を中心に選んでいたからだ。

 

今回は男だけのトリップということで、そんな細かいことは氣にする必要もなく、ついに念願叶って初岩岳となったわけだ。

 

結論から言うと、想像通り、いや想像以上に楽しかった。

 

全般的に自然の地形を活かした造りになっているため、至る所にウォールやギャップなどの地形が豊富でスノーサーファーには涎モノのコースが満載なのだ。

 

朝一番は、まだゴンドラが動いていなかったため、まずはヴィレッジサイドのリフトを回すことにしたのだが、関東地方と北陸地方春一番が吹いた前日、ここ岩岳も気温も上がり一氣に溶けた雪が、この土曜日の朝の冷え込みでガチガチのアイスバーンになっていた。

 

最悪コンディションに、すっかりテンションは下がってしまい、今日は早々に宿に戻って宴会かなと思っていた所へゴンドラ運行開始のアナウンスが聞こえて来た。

 

とりあえず行ってみますか?ということでゴンドラに乗り込みマウンテンサイドへ行ってみることにした。

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あまり期待はしていなかったのだが、ゴンドラを降りて雪を踏んでみるとよく締まった雪で悪くない。

早速、板を履いて滑ってみると、所々硬いところはあるものの、場所によっては10cm程の新雪が乗っており、全然滑れるじゃんと一同の下がったテンションが再び上がる。

 

特にVIEW Aコースは天然ハーフパイプのようになっていて、左右の大きなウォールに次々と当て込むことが可能だ。

コース上には少し新雪があるものの底付きしてしまい若干難しかったが、それでも十分楽しいコースだ。

是非ベストコンディションの時にもう一度滑ってみたいと思った。

 

その後、午前中はマウンテンサイドの各VIEWコースと沢コースを中心に回したが、程よい斜度にウォールやギャップが点在していて、皆思い思いのラインを描いて楽しんだ。

 

午後になると、マウンテンサイドからヴィレッジサイドまで、約3km超のロングランをクルージングしてみた。

クルージングといってもそこらじゅうウォールだらけの当て放題。

片っ端から当て込みしながら滑ると1本で脚パンだ。

 

このロングコースが楽し過ぎて、脚パンになりながらもゴンドラで数本回してしまった。

ちょうどフロントサイドのレイバックを練習したかったので、フロントサイドのウォールはほとんどレイバックで突っ込んだ。

 

こうして集中力がなくなるまで、数えきれないくらい滑り、大満足で脚をガクガク、プルプルさせながら岩岳を後にした。

 

そして宿に戻り、第二部の宴会セッション。

ビール片手に鍋を喰らい、熱燗を飲みながら趣味のこと、仕事のこと、家族のこと、むかし話などに華を咲かせた。

 

 

翌日は宿から歩いていける栂池高原スキー場へ。

前夜の深酒により、少しゆっくり目のスタートとなったが、早速ゴンドラでハンの木コースを回す。

 

昨日とは打って変わって、ウォールが少ない栂池では綺麗にピステンされた広いコーデュロイバーンでのカービングターンが心地よい。

 

その後、白樺ゲレンデ、チャンピオンゲレンデを軽く回し、明日に備えて午前中で終了。

 

 

そして最後の〆はやっぱり温泉。

向かったのは、八方温泉 第二郷の湯。

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無色透明の強アルカリ性の温泉は、肌をスベスベにするらしい。

 

六角形のヒノキづくりの浴槽に入り、肌を触ってみるとすぐにスベスベ感を実感できた。

その他の効能は、神経痛、筋肉痛、関節痛などに効くようだ。

 

この2日間、いつもよりもアグレッシブに滑り、そしてコケまくって酷使した身体をじっくりと癒した。

 

これですべてのルーティンを終えて帰路へ着いた。

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今回のメンバーは皆それぞれ、普段は夫として、そして父として日々奮闘している。

この2日間、それらすべてから解放されて、ただ一人の男として趣味のスノーボードを満喫した。

 

この機会を与えてくれた家族に感謝しつつも、男だけのトリップでしか味わえない氣軽さと自由さを再認識し、来年も絶対やろうと皆でハイタッチしながら約束した。

 

また明日から社会の荒波に揉まれながら、奮闘する日々が始まる。

しっかりと充電をした僕らは、自分ため、家族のためにまた頑張れるはずだ。

 

そして5日が経過した今日、すでに充電が切れかかっている…

 

写真を撮るヒマもないほどパウダー三昧

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日曜日の朝、相変わらず雪、風ともに強く、ひどく冷え込んでいて愛車のハイエースもまるで風邪を引いたかのようだ。

 

簡単に朝食を済ませ、早速準備にとりかかる。が、やはりリフト開始時間には間に合わなかった。現代の日本同様、抜本的な改革が必要なようだ。今度ゆっくり考えてみよう。

 

センターハウスでリフトの運行状況を確認すると、雄国第1ペアリフトと雄国第2ペアリフトとだけが動いているようだった。それ以外は大雪のため整備により運行開始が遅れているようだ。

 

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せっかくのパウダーDAY、ガタガタ言わずに早速雄国第2リフトに乗り込み、まずはアムール・プロムナード・インにテイクオフ。

しかし、猫魔スキー場のコース名は覚えづらいし、読みづらい...

 

とても短い斜面だが、ヒザモモのパウダーに思わずMさんも歓喜の雄叫びをあげた。

 

続いてダルジャン・インにテイクオフ。

ゲレンデ下部のコース故に深くはないが、それでも十分なパウダーコンディション。少しだが当て込める壁もあってなかなか楽しめる。

 

その後雄国第1を1〜2本回した後、例のごとくハイタッチして女性陣にバトンを渡す。

そして、とりあえず缶ビールで乾杯。

あっという間に飲み干したが、昨日の反省を踏まえて2本目をぐっと堪える。

 

女性陣が帰ってくると、昨日は雪が深すぎて滑らせることができなかった子供達の出番だ。

初心者コースのファミーユゲレンデでスノーボードの練習。

こどもの上達は早い。前回、アカカンのスクールで横滑りを教えてもらったばかりなのに、何となく体感覚で覚えてしまうのだろうか、試行錯誤しながらもだんだん行きたい方向に行けるようになってきた。

 

転んでも痛くないことに気付くと、徐々に板を動かしだした。それは色々と試しているようにも見える。その後、リフトを3本ほど回して満足したようで終了。

 

休憩室に戻るやいなや、猫魔第1ペアリフトの整備が完了し運行を開始するとのアナウンス。

 

脱いだばかりのブーツを履き直し、慌てて雄国第2ペアリフトへ。

猫魔第1ペアリフトへは雄国第2ペアリフトを乗り継いで行かなければならないのだ。

 

既にリフト乗り場にはパウダーボードを履いた猛者達が列をなしていた。

 

昔ながらのペアリフトは遅い。

普段であれば、ゆっくりと景色や会話を楽しみながら乗るのだが、こういう一刻を争う時のペアリフトは苛立たしいほどに遅い。

 

どれくらいの時間が経ったであろうか。

やっとコースに辿り着いた時には、コース中央は既に食べ散らかされて見るも無惨な姿となっていたが、コース脇にはまだまだ新雪がその白い清楚な姿のままで残っている。

 

コース脇に残っているパウダーエリアを中心に所々にある吹き溜まりに当て込んでスプレーを上げながら、モモ腰サイズの深雪を何本か堪能した。

 

スキーセンターに戻り、そろそろ帰ろうかなんて話していると、今度は大雪のため朝からクローズしていた猫魔パークがオープンするというアナウンス。パークへのアクセスはダルジャン・モーグルのみとのこと。

 

思わずMさんと顔を見合わせた。

 

ダルジャン・モーグルは昨日もクローズしていて、今朝リフトから見た時には完全なるノートラックバーンだった。その綺麗な斜面を見ながらMさんとここ滑ったら最高だねなんて話してた場所だ。

 

既に帰る支度を始めていた女性陣に、1本だけならという条件で許可を得た僕らは、脱いだばかりのジャケットを羽織り、慌ててリフト乗り場に向かう。

 

リフトで上がりながら、ダルジャン・モーグルを見ると、次から次へと歓喜の表情でドロップしていくパウダージャンキー達が、思い思いのラインを描いていく。

かなりのトラックが走っているが、まだいくらか残っている。

リフトを降り、急いでバインを締めてテイクオフ。

 

感極まった僕は、ヒャッホーゥ!と叫びながら深雪の上を思いのままに滑走した。

滑る前のワクワク感、滑走している時の高揚感、滑った後の余韻。どれをとっても最高だ。


そして僕らは何も言わずにまたリフト乗り場へ。

女性陣に怒られるのは承知の上だ。

 

そして最後の1本は、パウダーの儚さを慈しむかのように、その柔らかな感触を感じながら滑り降りた。

 

そしてMさんと何も言わずにハイタッチ。

お互い最高の笑顔だ。

 

ニヤニヤとにやけながら帰ってきた僕たちを見た女性陣は、怒るというよりもやれやれと呆れた表情…

 

仕方あるまい、だってそこにパウダーがあるのだから。と心の中で訳のわからない言い訳をしながら、帰りの支度をするその顔は、まだにやけたままだ。

 

帰路ではハンドルを握りながら、今回のトリップを回想していた。

 

やっぱりパウダーは最高だ。

深雪の上を滑走する浮遊感、ターンでスプレーを上げた時の雪に優しく包まれる感覚。

非の打ち所がない。

 

改めて自然で遊ばせてもらうことの素晴らしさを実感した。

そして自然に対し、畏敬の念と感謝の氣持ちが湧き上がってきた時、ふと西の空に綺麗な夕陽が輝いていることに気付いた。

 

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それは、まるで自然の神が「佳き哉〜」と言っているようだった。

 

 

パウダースノーとビールに酔いしれた一日

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出典:tenki.jp

 

何日も前から、毎日天氣図とにらめっこしていた。

週末は強烈な寒波により大雪を降らせる予報となっていたからだ。

 

今シーズン、まだパウダーを当てていなかった僕は、今回こそはと鼻息荒く毎日予報が更新される度に天氣図を眺めながら一喜一憂していた。

候補に上がっていたのは、白馬エリア、新潟エリア、群馬エリアそして前売り券を購入していた福島裏磐梯エリアだ。

 

9日(木)のニュース番組では、金曜日から週末にかけて上空5000mに−30℃以下の寒氣が流れ込み、九州のごく一部を除いて日本列島をほぼすっぽりと覆うため日本海側を中心に大雪となるところが多く、不要不急の外出は控えるように告げていた。

 

天氣予報をみると、新潟エリアは大雪の予報。白馬、群馬は大雪とまではいかないがコンスタントに降り続ける予報だった。

 

裏磐梯エリアも週前半の予報では、雪がチラつく程度だったのだが、ここにきてコンスタントに降り続ける予報に変わっていた。

 

前売り券があったこともあり、またこの予報なら大丈夫だろうと今回の行き先は裏磐梯に決定。

 

金曜の20時過ぎに出発し、圏央道東北道、磐越道と乗り継ぎ、猫魔スキー場の駐車場に着いたのは午前1時頃。距離にして約350km、時間にして5時間弱。さすがに遠い。

 

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猪苗代IC〜桧原湖までの道はドライで降雪もなく、「ヤバイ、外したかも」と焦ったがスキー場の手前2kmあたりから突然降り出してきた。

 

風が強く吹いているが、いい感じで降っている。

明日はパウダーが滑れますように。そう祈りながら駐車場で車中泊することにした。

 

 

翌朝、除雪車のヴォーン、ガガガガガーッという音で目覚めた僕は、祈るような氣持ちでマルチシェードを外して外の様子を伺う。

 

外では駐車場の誘導係が次々とやってくる車を誘導していた。

その誘導係の防寒具のフードには、うっすらと雪が積もっている。ただ風は依然として強く、時折突風とともに駐車場の雪を舞い上げ雪煙となって飛んでいくのが見える。

 

早速ダウンを羽織り、車のドアを開けると強い風とともに雪が吹き込んできた。

地面に足を下ろしてみると、ズボッとスネ下あたりまで沈む。

どうやら、この一晩で約15〜20cm程度の雪が降り積もったようだ。

僕は思わず心の中でガッツポーズをした。

 

 

あとは風だ。

スマホで天気予報をチェックしてみると概ね4〜6mの予報で、これならリフトは動くだろうとホッと胸を撫で下ろす。

 

今回も一緒の近所に住むMさん一家と駐車場で合流し、早速準備にとりかかる。

家族連れの性か、はたまた段取りが悪いのか、リフト開始時間には間に合わず、リフト乗り場に着いた頃には運行開始からすでに30分近く経っていた。

 

とりあえずリフトを乗り継ぎ、最上部を目指す。

リフト脇のコースを滑る人々は皆一様に笑顔だ。中には雄叫びを上げながら下りてくる人もいた。

 

リフトを降り、まずは最大33°のラフューテ・アウトへテイクオフ。

雪は予想よりも深く、「ヒザ〜モモ セット腰」の想定外の深さに最初はバランスを崩したりもしたが、徐々にその深さに慣れてくるとスプレーを上げながら一気に滑り降りた。

 

これはヤバイ、ちょ〜気持ちイイ〜。

 

お次はラ・フューテ・インへ。

先ほどのラ・フューテ・アウトは斜度があるが、距離が短く、後半は緩斜面が続くため、この深雪ではまっすぐ滑ることしかできない。

ラ・フューテ・インは斜度は27°と控えめだが、ラ・フューテ・アウトより中斜面の距離が長い。

斜度がきつくない分、余裕を持って滑ることができ、その浮遊感に酔いしれた。もちろん無駄にスプレーを飛ばすのも忘れない。

 

2〜3本滑った後、このパウダーを女性陣にも滑らせてあげたいということで午前の部は終了。Mさんとハイタッチし、ビールで乾杯した。

 

午後の部では、ダルジャン・インとダルジャン・センターを回したのだが、実はあまり覚えていない。

午前中のパウダーに満足した僕は、午前中に2本、昼食時にまた1本と計3本のビールを飲んでしまい、あまり集中して滑ることができなかったのだ。

 

そんなわけで、最後は女性陣に譲り、ホロ酔い氣分のまま、子供と車で昼寝して終了。

 

その晩は、またまたM家のトレーラーにお邪魔しての宴会。

パウダーを滑った面々は皆、意氣揚々と今日の滑りについて話している。

 

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トレーラーの外ではまだこの降りよう。

朝からずっとこんな感じだ。

 

今日は酔い一日だった。

明日も間違いなくパウダーだ。

テンションが上がっても飲み過ぎないと心に誓いながら寝袋へ。

 

 

2日目に続く